必要のないもの(未来のソーシャルキャピタル)

本書は、嗜好品が記号的消費(ボードリヤール)でもなく、文化卓越性(ブリデュー)をも持っていないことを突き止める。

しかし「必要のなにもの」は安らぎを与える。他者すらも必要のないものなのであろう。

だがこの自己が選び出す唯一のもの(オーダーメイド)は、人との比較はできないが、その「他者との共有」は、今までにないこだわり豊かなソーシャルキャピタルをもたらす可能性が高い、と言う逆説・矛盾下にあるのは、たぶん事実であろう。

 

参考

「嗜好品の社会学」   小林盾 編