言説

本書の言説は豊かである。

 

風化するまで、本当の死とは見なされない。

時には実際、墓の中にさえも存在した。

 

古代ローマの死者は、生者の領域を超えたところへ安全に追い払われた。墓地は都市の境界線の外側に築かれた。

 

初期ユダヤ教は、死者の運命について曖昧であり、死者は視界にも念頭にもなかった。

 

貧者は死者と区別ない領域に向かう。

初期キリスト教徒は、永遠に続く神と生へ向かうことを熱心に望むが、来世の見通しについては、ユダヤ教と同じく厳密ではなかった。

 

ダンテの地獄では、サタンは強大な存在ではなく、完全に打ちひしがれて描かれていた。

 

喪に服す段階ごとに非常に多くの「外見」にとらわれながらも・・・・死別は消費主義の一要素になった。

 

 

参考

「死の文化史」    マイケル・ケリガン 著