人工昏睡と人工冬眠の差異について
本書は秀逸である。
米FRBは今年4月初めにBBB以上の社債の直接購入だけでなく、「ジャンク債」の購入も開始した。
FRBはこうした政策が実体経済ではなく、投機筋を支援しているという万人への説明が必要であるにもかかわらず。
しかしそれでも、「ジャンク債購入は過度の債務を抱えるプライベートエクイティ・グループと不完全な借り手である。」ことに変わりはない。モラル・ハザードである。
経済の「人工昏睡」?は功を奏しただろうか?
プレファイナンスが存在する経済システムにおいては、需要崩壊が破綻の波をもたらすことは避けられない。
「人工冬眠」をしらない成長経済は、ふたたび目覚めたとき、社会を根本から揺るがすことを長所と取り、既存の秩序を徹底的に混乱させるしかない。既得権益の再生目標では、すべて莫大な負債となるからだである。
ゆえに「チャンスは心の準備のできた者だけを好む」(ルイ・パスツール)
参考
「コロノミクス」 ダニエル・ステルター 著