幇助に対する詰問

本書の肝は、その一貫性にある。安楽死問題の議論がそれである。

もし「治療行為の中止によって患者を死ぬにまかせる」(消極的安楽死)が許されると考えるならば、「患者に致死薬を投与して死をもたらす」(積極的安楽死)を認めないのは一貫性を欠く、というのが本書が与える議論の結論である。

ここで読者は良識を考えねばならない、考えさせられる詰問だからである。

 

参考

「医療倫理超入門」    マイケル・ダン トニーホープ 著