歴史記述が正しいか、誤りであるは問題ではない。一人の人間が、異なる二つの心理的場所で同じ現象を想起した時、どのようにライフストーリーを変形させていくかというプロセスを見ることの方が大切である、と本書は説く。
正しいか誤りかの問い方にとらわれすぎず、そこから脱して歴史的、文化的文脈の現場の中で、同時代ゲームをしながら、生きる矛盾に満ちた人間の姿を、ありのままの多様さと、多重性で生き生きとらえていくことのほうが今後有効であろう、と。
キーワード:多様性の発見
参考
「質的モデル生成法」 やまだようこ 著作集 第4巻